法律上定められた特殊な債権を持っている債権者が、債務者の財産につき、法律上当然に他の債権者に優先してその債権の弁済を受け得る担保物権をいいます。例えば、雇人の最後の6ヵ月分の給料は、雇主の総財産に対して、不動産の賃貸借関係から生じた賃借人の債務は、賃借地、建物の動産、土地の果実に対して、請負人等がした不動産工事の費用や不動産売買の対価およびその利息は、その不動産に対して、それぞれ優先弁済の権利があるとされています。本来であれば債権者というものは平等なのが原則ですが、この原則に従わずに債務者の総財産から債権回収を先取りできる権利となります。この権利は、担保物権として強い保護を受けます。尚、債務者のどういうものを裁判所で競売できるかによって、一般の先取特権、不動産の先取特権、動産の先取特権の3つに分けられます。さらに先取特権には4種類あり、1つ目は、不動産を競売にかける際に裁判所に予納する費用などの共益の費用、2つ目は、倒産した会社から優先的に給料が支払われる社会政策配慮の雇用関係、3つ目は、葬儀社や寺の保護である.葬式の費用、4つ目は、日用品に関する売掛金のことである日用品の供給で、この番号がそのまま優先順位となります。
ただし、他の先取特権との競合関係の際の順位が法律で定められているので、注意が必要です。