生産緑地とは、市街化区域内にある農地や山林で地方自治体が指定する都市計画によって指定された生産緑地地区内の保全される農地のことをいいます。都市の環境保全のため、農地の持つ緑地としての機能に焦点を当てた制度といえます。生産緑地の指定を受けると、農地以外には使用できず(営農の継続義務)、建築物等の新改築、宅地造成などについても市長村長の許可を得なければなりません。また原則として、その建築や造成等の目的が農林漁業を営むために必要なものでなければ許可されません。ただし、宅地並みに課税される三大都市圏の特定市の市街化区域内農地も、指定されると農地並みの扱いとなり、生産緑地は税制上の優遇措置(市街化区域内の土地であっても一定の条件を満たせば農地とみなして課税されるなど)が適用されるというメリットがあります。
この指定を受ける条件としては、500平方メートル以上の規模であること、公害または災害の防止、農林漁業と調和した都市環境の保全等良好な生活環境の確保に相当の効用があり公共施設等の敷地の用に供する土地として適していること、用排水その他の状況を勘案して農林漁業の継続が可能な条件を備えていると認められること、などが挙げられます。
ちなみに生産緑地に指定されて30年が経過した場合、または従事者の死亡などで農業ができない状態になれば、自治体への買取の申し出が可能です。そして、申し出てから3ヵ月以内に所有権の移転がない場合には、行為制限が解除され、実質的に生産緑地としての役割を失うことになります。なお、多くの生産緑地は、2022年から買い取りの申し出が可能となります。
生産緑地とは何?(英語表記:productive green space) |不動産用語集
生産緑地
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