借地借家法の施行日（1992（平成4）年8月1日）以前に成立した借地権であって、旧借地法にもとづく借地権のことです。
借地借家に関する法制度は、かつては借地法・借家法の二本立てでしたが、1992（平成4）年8月1日に借地借家法が施行されたことにより、一本化されました。
この新借地借家法（1992（平成4）年8月1日施行）にもとづく借地権であって、定期借地権ではない借地権のことを「普通借地権」、旧借地法にもとづく通常の借地権のことを「旧法上の借地権」と呼びます。
普通借地権と旧法上の借地権の相違点は次の通りです。
1．存続期間
旧法上の借地権は、あらかじめ存続期間を定めなかった場合には、非堅固な建物（木造を指す）については存続期間を30年とし、堅固な建物については存続期間を60年としていました。
普通借地権では建物の堅固・非堅固による区別がなく、あらかじめ存続期間を定めなかった場合には存続期間を30年としました。
2．朽廃による消滅
旧法上の借地権は、建物が老朽化し、朽廃した場合には、借地権が自動的に消滅することとされていました（旧借地法第2条、第5条）。
普通借地権にはこうした朽廃による消滅の規定がない。
上記のような相違点があり、しかも現在でも、旧法上の借地権による借地と普通借地権による借地が並存しているため、不動産広告等では両者の違いを明記することが一般的です。
