後見とは「精神上の障害により判断能力を欠く常況にある者で、家庭裁判所から後見開始の審判を受けた者」(成年被後見人)を守るための制度である。
民法7条によると、本人・配偶者・4親等内の親族等の請求により、家庭裁判所の審判で開始される。
同法9条によると、成年被後見人の法律行為は、取り消し可能であるが、日用品の購入など日常生活に関する行為については取り消すことができないとされている。
したがって、成年被後見人と不動産売買契約等の法律行為を有効に締結するには、成年後見人が代理する必要がある。
未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言で、未成年後見人を指定することができる(同法839条)。
未成年後見人となる人がない場合、家庭裁判所は、未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によって、未成年後見人を選任する(同法840条)。
同法859条の3によると、成年後見人は、成年被後見人の代理で、その居住用の建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならないとされている。
また、未成年者に対して親権を行う者がいない場合、又は親権を行う者が管理権を有しない場合には後見が開始される(同法838条)。