構造上、独立して住居・店舗・事務所・倉庫等の用途に供することができる数個の部分から構成されているような建物のことを「区分所有建物」といい、以下2つの要件を満たす必要があります。
1．構造上の独立性
建物の各部分が他の部分と壁等で完全に遮断されていることを指します。ふすま、障子、間仕切りなどによる遮断では条件を満たしません。
2．利用上の独立性
建物の各部分が、他の部分から完全に独立して、用途を果たすことを意味しています。
例）居住用の建物であれば、独立した各部分がそれぞれ一つの住居として使用可能
上記1．と2．を満たすような建物の各部分において、それぞれ別個の所有権が成立している場合、その建物は「区分所有建物」と呼ばれ、民法の特別法である区分所有法が適用されます。
代表例：分譲マンション
※分譲マンションに限らず、オフィスビル・商業店舗・倉庫等であっても、上記1．と2．の条件を満たし、建物の独立した各部分について別個の所有権が成立しているならば区分所有建物となります。
なお区分所有建物では、それぞれ次のように呼ばれます。
・「専有部分」：建物の独立した各部分
・「区分所有者」：この専有部分を所有する者
・「共用部分」：廊下・エレベータ・階段などのように区分所有者が共同で利用する建物の部分
・「敷地利用権」：区分所有者が取得している敷地の共有持分
また、建物の敷地については、区分所有者の共有となります（ただし土地権利が借地権である場合には「準共有」）。
従って区分所有建物においては、区分所有者は、以下3種類の権利を持っていることになります。
①専有部分の所有権
②共用部分の共有持分
③敷地の共有持分
