まず表見代理とは、本人に何らかの落ち度があることを基礎として、その帰責要因をもとに無権代理人が真実の代理人であるかのような外観が作出され、その外観を信頼して取引に入った相手方を保護するという制度のことです。
表見代理には、代理権授与表示による表見代理、代理権消滅後の表見代理、権限踰越の表見代理という3種類があります。
代理権消滅後の表見代理とは、代理権がすでに消滅したにもかかわらず、代理権授与の外観が残っている場合、その外観を信頼した善意であり、無過失の相手方を保護し、代理人と相手方との取引の効果を本人に帰属させるという制度のことをいいます。
この制度では、代理権授与の外観を速やかに除去しなかった点に、本人の帰責要因が認められている。