減損会計とは、有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産の収益性を評価し、その資産に対して投資した金額を回収できる見込みがない損失を、一定の基準に基づいて資産の価値を帳簿上で減額する会計上の手続きをいう。
金融商品など時価会計を適用すべきとされている資産は除外される。
資産評価によって把握した損失を処理する会計手法には、資産の帳簿価額自体を減額する減損会計と、損益計算において当該損失を計上する時価会計がある。
2つの会計手法の主な違いは、減損会計では評価価額の増加分は計上できないのに対して、時価会計では評価益を計上することができることである。
会計士は、資産の性格や会計の目的に応じて適切な手法を選択する必要がある。
減損会計の適用は、以下のプロセスで進められる。
1.対象資産の確定
2.対象資産のグルーピング(一体的に収益を生む複数の資産を単位化する)
3.減損の兆候を把握
4.減損損失の認識(資産から得られるであろう割引前将来キャッシュ・フローと帳簿価額を比較する)
5.減損損失の測定(帳簿価額を回収可能価額まで減額する、回収可能価額は、資産の使用価値、または正味売却価額のいずれか高い金額)
国際会計基準でも減損会計の規定を置いており、米国や英国で早くから取り入れられていた。
日本でも、2005(平成17)年4月1日以後に開始する事業年度からは全面的に適用されている。