相続税とは、相続や遺贈によって取得した財産に対して賦課される税のことをいう。
この場合の財産には、相続時精算課税制度の適用を受けて、贈与により取得した財産も含みます。
納税義務者は、財産を取得した者であるが、税額の算定に関しては各種控除などが適用されます。
そのため、十分な注意が必要です。
一般的な相続税額の算出方法は次の通りです。
① 課税価格の算出を行います。
取得した財産の価額から、一定の生命保険金等の非課税財産の価額、小規模宅地に係る減額相当額などを減じ、相続時精算課税に係る贈与財産価額や、3年以内の贈与財産の価額などを加算し、課税財産額を算出します。
② 相続税総額の算出を行います。
ア 課税遺産総額の算出：①で算出した課税価格から、遺産に係る基礎控除額（3,000万円＋600万円×法定相続人の数）を減じます。
イ 法定相続人の取得金額の算出：アで算出した課税遺産総額を民法に定める、法定相続分に従って取得したと仮定し、各法定相続人の取得金額を算出します。
ウ 法定相続分ごとの取得金額に応じた相続税額の算出：イで算出した金額に相続税率を乗じて算出します。
税率は、取得金額に応じて、10％～55％まで累進的に定められています。
エ 相続税総額の確定：ウで算出した法的相続人ごとの相続税額を合計します。
③ 各人ごとの相続税額の算出を行います。
②エで確定した相続税総額を、各人の実際の相続割合に応じて按分し、相続税額を算出します。
各人ごとの相続税額は、②エの価額×各人の相続割合となります。
④ 各人の納付税額の算出を行います。
③の価額から、相続人の属性に応じて、配偶者税額軽減、未成年控除といった、各種税額控除額を減じ、各人の納付税額を確定できます。
この時、財産取得者が被相続人の配偶者、父母、子供以外の者である場合には、相続税額の20％相当額を加算して納付税額が算出されてしまいます。
そのため、注意が必要となります。
なお、相続税は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヵ月以内に申告納税しなければなりません。
