専用使用権とは、マンションの共用部分であるバルコニーや専用庭などの一部を、特定の区分所有者が排他的に専用使用できる権利のことをいいます。バルコニーや専用庭、専用庭の一部が駐車場になっている場合や、店舗前面部分がそうです。本来は、区分所有建物における共用部分は、各区分所有者が、通常の用法に従ってそれぞれ自由に使用することができ、それは敷地についても同様です。
しかし、次のいずれかの場合には、共用部分や敷地の使用を、特定の区分所有者または第三者だけに限定することが可能とされています。
1．管理規約にその旨の定めがあるとき
2．集会の決議があるとき
3．共有者全員の同意があるとき
この専用使用権を消滅させるには管理規約の変更が必要になりますが（４分の３の特別決議）、該当の区分所有者の承諾が必要なためです。実質的に永久使用となります。
ただし専用使用権があるといっても、バルコニーや専用庭が共用部分であることに変わりはないので、無断で形状を変更したり、避難通路の妨げになるようなものを設置することは厳禁です。
なお、宅地建物取引業者は、専用使用権に関する規約がある場合には、重要事項説明において、これを説明する義務があります。
