資産を譲渡したことにより得た所得を譲渡所得といいます。(所得税法33条)。譲渡所得の対象となる資産とは、土地、借地権、建物、船舶、機械器具、漁業権、取引慣行のある借家権、ゴルフ会員権、特許権、著作権、鉱業権、土石(砂)、特定の有価証券、書画、骨とう、宝石などです。このように資産の譲渡とは、有償無償を問わず、所有資産を移転させる一切の行為をいうので、通常の売買のほか、交換、競売、公売、代物弁済、財産分与、収用、法人に対する現物出資なども含まれます。ただ、貸付金や売掛金などの金銭債権はこれには該当しません。
譲渡収入と資産取得や譲渡の際に要した費用の差額が譲渡所得になります(課税される譲渡所得額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除)。
尚、原則として譲渡所得に対する課税は、その他の所得との合算になります。ただ土地や建物の譲渡所得については、株式等の譲渡所得と同様に、他の所得と分離して課税されます。その課税額は、譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるもの(長期譲渡所得)と5年以下のもの(短期譲渡所得)と、土地や建物の保有期間に応じて分けられ、税率などが異なります。