準禁治産者とは何？（英語表記：limited interdicts） ｜不動産用語集

心神耗弱者（こうじゃくしゃ）や前後の見境なく財産を浪費したり借財をしたりする癖がある浪費者などを、家庭裁判所が｢準禁治産」との宣告をします。（旧民法第11条）。不動産をめぐる契約や遺産分割などをする場合に、当事者に知的障害がある場合、その契約や遺産分割でどのような効果が発生するのかの判断ができない、もしくは不十分だったりすることが考えられます。このように、心神耗弱や浪費などの理由により、不動産などの自己の財産を適切に管理または処理をする能力がないと家庭裁判所が判断していました。ただ、2000（平成12）年に民法が改正・施行され、この準禁治産者の制度も改められ、準禁治産者は被保佐人と呼び方が変更されました。また改正前の民法では、軽度の認知症は準禁治産者の対象となりませんでしたが、現行の民法では被保佐人の範囲に含まれています。また準禁治産者は戸籍にその旨が記録されましたが、被保佐人はそのようなことはありません。これにより中古住宅を購入する際、売主が禁治産者（現行民法では被保佐人）であった場合、売主とどのような話し合いが持たれようと売買契約は無効となり、保護する立場の後見人（現行の民法では保佐人）との話し合いが必要になります。その他、単なる浪費者は被保佐人の範囲から除外されましたが、ただし、旧民法第11条により準禁治産者であった者は、改正法施行後も準禁治産者として扱われます。