1カ月先や6カ月先など前もって決めた時点に前もって決めた価格で売買することを約束する取引のことを指します。先物取引の場合は将来の取引を約束するだけなので、取引が決まった時点では物や権利など実際の売買対象は存在していなくてもよく、お金の受け渡しもありません。また、先物取引は金融派生商品であるデリバティブの一種で、価格変動の影響を避けるリスクヘッジの機能、仮需要を導入することによる価格発見機能などを担っています。たとえば、ある製品を作るために必要な材料を将来いくらでどれだけの量を購入するという約束をあらかじめしておけば、材料の価格が将来高騰しても買えなくなる心配を回避でき、製品の生産計画も立てやすいというメリットがあります。また差金決済によって売買代金よりも非常に小額で買付けでき、あるいは現物を持たないまま売付けできるなど、投機性もあります。また、材料を売る側も売れることが確定するので、次の生産計画が立てられるため、事業を安定して行うことができます。ただ、前もって決めた時点の価格によって儲かったり、損をすることがり、現物取引に比べてより大きな危険を伴うことは否めません。この先物取引には原油や金、大豆などの商品のほか、日経平均株価のような株価指数を対象にしたものがあります。1730年頃に米を売買した大阪の堂島米会所が世界初の先物市場といわれています。尚、先物取引を行なう施設として認められているのは、法律で定められた取引所のみとなっています。取引所で取引される先物には、商品、有価証券、通貨等のほか、その指数等およびそれらのオプションがあります。
ちなみに、土地(その指数等を含む)を対象にした先物取引や、それに類似する取引をする施設の開設は認められていません。