債務者に給付義務を強制的に履行させる手続き(強制執行)を行なう際に、債権の存在および範囲を公的に証明した文書のことを「債務名義」といいます。
債務名義は、民事執行法22条各号に定められています。
具体的には、以下の通りです。
①「確定判決(同条1号)」
②「仮執行宣言を付した判決(同条2号)」
③「抗告によらなければ不服を申し立てることができない裁判(同条3号)」
④「仮執行の宣言を付した損害賠償命令(同条3号の2)」
⑤「仮執行の宣言を付した支払督促(同条4号)」
⑥「訴訟費用、和解の費用若しくは非訟事件等の費用の負担の額を定める裁判所書記官の処分等(同条4の2)」
⑦「金銭の一定の額等を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの(同条5号)」
⑧「確定した執行判決のある外国裁判所の判決(同条6号)」
⑨「確定した執行決定のある仲裁判断(同条6号の2)」
⑩「確定判決と同一の効力を有するもの(同条7号)」
また、債務名義は強制執行の前提として必要な公的文書であるが、実際に強制執行を行なうには、債務名義に「執行文」が記載されることが必要です。